製造業

Vol.11

Vol.11 大田区仲六郷の葉月製作室が小型搬送ユニットで現場の声から生まれた強み

2026年1月31日

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PROFILE

会社名:株式会社葉月製作室

代表者名:緒方 大地

所在地:東京大田区仲六郷

設立年:2010年

従業員数:47名

事業内容:小型搬送ユニット、食品機械の交換部品、地域企業向けの相談対応

サイト:vol11-manufacturing.example.jp

取材に訪れたのは午前10時過ぎ。株式会社葉月製作室の材料棚では、小型搬送ユニットを待つ小さな列ができていました。緒方 大地代表は、数字より先に現場の表情を見ます。

最初の転機は、売上が止まった週にあった

緒方 大地代表が覚えている最初の違和感は、月末の売上表ではなく、朝の空気に出たと言います。2月のある週、スタッフが誰も口を開かず、材料棚の確認だけが増えました。代表はそこで仕事の受け方を見直しました。

——会社の方向を決め直した瞬間はありますか。
緒方 大地氏: 「狙っていたというより、検査表を現場の言葉に直したことが先でした。売上だけ見れば痛かったです。でも、そこで受け方を変えなければ、47人の会社なのに一人の我慢で回す形になっていたと思います。今は月末に23項目だけ、現場のメモを見返します」

数字だけで決めないための表を作った

株式会社葉月製作室では、案件ごとの採算だけでなく、準備にかかる手間、担当者の得意不得意、翌週に残る疲れまで見ます。たとえば小型搬送ユニットの依頼でも、短納期で説明が薄いものは一度立ち止まる。逆に食品機械の交換部品のように小さく見える相談でも、次の関係につながるものは丁寧に拾います。

材料棚にある表は、外から見るとただの走り書きです。納期、数量、連絡待ち、迷った理由。そこに整った言葉はありません。けれど緒方 大地代表は「書いた本人が翌週読めるなら十分」と言います。判断を飾らず残すことが、同じ迷いを減らしています。

現場の迷いを翌月に残さない

——品質が揺れる前に見る数字はありますか。
緒方 大地氏: 「最初は手順書を厚くしようとしました。でも読まれないんです。今は、刃物の交換時刻を記録することから始めています。写真一枚、短い一文、朝礼での確認。それくらい小さくしないと続きません」

取材中にも、スタッフが小型搬送ユニットについて短く確認しました。緒方 大地代表は結論を急がず、前回の記録を一緒に探します。正解より先に、判断の順番をそろえる。その数分が、あとで大きな手戻りを防いでいます。

広げる前に守りたいこと

株式会社葉月製作室が次に進めたいのは、無理な受注を減らしながら、紹介で来た仕事を断らない体制づくりです。ただし、緒方 大地代表は拡大を急ぎません。東京で今の顧客が困った時に思い出せる状態を保つ。そこで無理をすると、会社の声が薄くなるからです。

——若い経営者に一つだけ言うなら。
緒方 大地氏: 「急ぐ時ほど、何をしないかを決めます。大田区仲六郷の仕事は顔が近いので、無理をするとすぐ伝わります。長く続けたいなら、背伸びより約束を守る方が先です」

帰り際、材料棚には次の予定を書いた小さな紙が残っていました。緒方 大地代表はそれを見て、「こういう紙が一番あとで効くんです」と笑います。こうした名もない紙には、続ける会社に必要な細部が宿ります。

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