Vol.32
Vol.32 大阪市阿倍野区の青瀬ラインが地元野菜のランチで一人に頼らない組織づくり
2025年11月28日

PROFILE
会社名:株式会社青瀬ライン
代表者名:日向 伸也
所在地:大阪大阪市阿倍野区
設立年:1999年
従業員数:32名
事業内容:地元野菜のランチ、豆乳スープ、地域企業向けの相談対応
サイト:vol32-food.example.jp
取材に訪れたのは午前9時過ぎ。株式会社青瀬ラインの開店前の厨房では、地元野菜のランチを待つ小さな列ができていました。日向 伸也代表は、数字より先に現場の表情を見ます。
順調ではなかった創業期の話
日向 伸也代表が最初に語ったのは、売上が伸びた話ではありません。2003年3月、主力だった仕事が二件続けて止まり、予定していた人員表が空白になりました。「地元野菜のランチの件数が多いことと、株式会社青瀬ラインが強いことは別でした」と振り返ります。
——最初から今の形を狙っていたのですか。
日向 伸也氏: 「売上が落ちた時より、同じ説明を三回した時の方が危ないと思いました。ランチ数を減らして予約制に寄せたことで、受ける量と説明する順番を変えました。そこから少しずつ、現場の声が戻ってきました」
断る仕事を決めてから、現場が落ち着いた
株式会社青瀬ラインでは、案件ごとの採算だけでなく、準備にかかる手間、担当者の得意不得意、翌週に残る疲れまで見ます。たとえば地元野菜のランチの依頼でも、短納期で説明が薄いものは一度立ち止まる。逆に豆乳スープのように小さく見える相談でも、次の関係につながるものは丁寧に拾います。
開店前の厨房にある表は、外から見るとただの走り書きです。納期、数量、連絡待ち、迷った理由。そこに整った言葉はありません。けれど日向 伸也代表は「書いた本人が翌週読めるなら十分」と言います。判断を飾らず残すことが、同じ迷いを減らしています。
任せる前に、判断の順番をそろえる
——記録を続けるための工夫は。
日向 伸也氏: 「任せる前に、どこで迷うかを聞きます。常連の苦手な味をメモするだけでも、次の人の入り方が変わります。立派な資料より、その日の現場で使える一言の方が残ることがあります」
この日、株式会社青瀬ラインでは地元野菜のランチの相談が二件重なっていました。日向 伸也代表は順番を決める前に、誰が何を見落としそうかを聞きます。予定表より先に迷いを出す。そこが現場を軽くしています。
これからと、地域へのメッセージ
次に手をつけるなら、大阪周辺の小さな会社同士で、困った時に仕事を回し合える関係づくりだと話します。とはいえ、株式会社青瀬ラインは広告を急に増やすつもりはありません。地元野菜のランチを頼む人が「前にも聞いてくれた」と思える距離を、先に守りたいからです。
——急がない経営をどう捉えていますか。
日向 伸也氏: 「続ける会社には、派手ではない約束が必要です。株式会社青瀬ラインなら、いつ返事をするか、どこまで見るか、何を断るか。そこを曖昧にしないだけで、お客さんもスタッフも少し楽になります」
取材後、開店前の厨房では次の地元野菜のランチの準備が始まっていました。声は大きくありません。けれど、株式会社青瀬ラインでは誰が何を確認するかが自然に決まっていました。大阪の小さな事業として見た時の現実味があります。