物流・運輸

Vol.30

Vol.30 呉市広本町の麦島研究所が店舗間移動で現場判断を軽くする工夫

2025年12月2日

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PROFILE

会社名:株式会社麦島研究所

代表者名:戸倉 麻衣

所在地:広島呉市広本町

設立年:1997年

従業員数:8名

事業内容:店舗間移動、ラストワンマイル、地域企業向けの相談対応

サイト:vol30-logistics.example.jp

広島の住宅地から少し入った場所に、株式会社麦島研究所はあります。入口の棚には店舗間移動に関するメモが残され、戸倉 麻衣代表は「ここを雑にすると後で戻ってくる」と話します。

始まりは、予定通りにいかなかった月から

戸倉 麻衣代表が最初に語ったのは、売上が伸びた話ではありません。2005年9月、主力だった仕事が二件続けて止まり、予定していた人員表が空白になりました。「店舗間移動の件数が多いことと、株式会社麦島研究所が強いことは別でした」と振り返ります。

——最初から今の形を狙っていたのですか。
戸倉 麻衣氏: 「きっかけは格好いいものではありません。件数より欠品ゼロを優先したあと、予定表より人の顔を先に見るようになりました。店舗間移動は段取りの乱れがすぐ表に出ます。小さい会社ほど、無理の出どころをごまかせません」

増やす前に、受け方を変えた

株式会社麦島研究所では、案件ごとの採算だけでなく、準備にかかる手間、担当者の得意不得意、翌週に残る疲れまで見ます。たとえば店舗間移動の依頼でも、短納期で説明が薄いものは一度立ち止まる。逆にラストワンマイルのように小さく見える相談でも、次の関係につながるものは丁寧に拾います。

配送表の前にある表は、外から見るとただの走り書きです。納期、数量、連絡待ち、迷った理由。そこに整った言葉はありません。けれど戸倉 麻衣代表は「書いた本人が翌週読めるなら十分」と言います。判断を飾らず残すことが、同じ迷いを減らしています。

一人の経験を閉じ込めない

——現場のこだわりは、どの部分に出ますか。
戸倉 麻衣氏: 「最初は手順書を厚くしようとしました。でも読まれないんです。今は、休憩地点を地図に書くことから始めています。写真一枚、短い一文、朝礼での確認。それくらい小さくしないと続きません」

この日、株式会社麦島研究所では店舗間移動の相談が二件重なっていました。戸倉 麻衣代表は順番を決める前に、誰が何を見落としそうかを聞きます。予定表より先に迷いを出す。そこが現場を軽くしています。

地域で続ける会社として

株式会社麦島研究所が次に進めたいのは、広島周辺の小さな会社同士で、困った時に仕事を回し合える関係づくりです。ただし、戸倉 麻衣代表は拡大を急ぎません。広島で今の顧客が困った時に思い出せる状態を保つ。そこで無理をすると、会社の声が薄くなるからです。

——会社を大きくすることへの考え方を聞かせてください。
戸倉 麻衣氏: 「大きく見せるより、明日も同じ温度で配送表の前に立てることだと思います。店舗間移動は速さだけで勝てない場面が多いです。断る理由、待ってもらう理由、もう一度頼まれる理由を、自分たちの言葉で持っておきたいです」

最後に見たのは、配送表の前に貼られた古いチェック表でした。新しい仕組みではありません。それでも戸倉 麻衣代表は「残っているものには理由がある」と言います。大げさに語らない強さが、そこにありました。

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