Vol.36
Vol.36 藤沢市辻堂の篠浦研究所が予約制まつ毛施術で一人に頼らない組織づくり
2025年11月16日

PROFILE
会社名:株式会社篠浦研究所
代表者名:緒方 佳奈
所在地:神奈川藤沢市辻堂
設立年:2015年
従業員数:66名
事業内容:予約制まつ毛施術、頭皮ケア、地域企業向けの相談対応
サイト:vol36-beauty.example.jp
藤沢市辻堂のシャンプーブースで、緒方 佳奈代表は予約制まつ毛施術の納品前チェックをしていました。派手な発表はありません。けれど、新人に任せる範囲を細かく決めるという一つの癖に、この会社の続け方が出ています。
最初の転機は、売上が止まった週にあった
株式会社篠浦研究所の創業から数年は、来た仕事を断らないことが正しいと思っていました。ところが2021年の春、予約制まつ毛施術の納期が三件重なり、シャンプーブースに残ったメモだけでは段取りを戻せなくなりました。
——受ける仕事を変えたきっかけは。
緒方 佳奈氏: 「きっかけは格好いいものではありません。売上より再来周期を見たあと、予定表より人の顔を先に見るようになりました。予約制まつ毛施術は段取りの乱れがすぐ表に出ます。小さい会社ほど、無理の出どころをごまかせません」
数字だけで決めないための表を作った
株式会社篠浦研究所では、案件ごとの採算だけでなく、準備にかかる手間、担当者の得意不得意、翌週に残る疲れまで見ます。たとえば予約制まつ毛施術の依頼でも、短納期で説明が薄いものは一度立ち止まる。逆に頭皮ケアのように小さく見える相談でも、次の関係につながるものは丁寧に拾います。
シャンプーブースにある表は、外から見るとただの走り書きです。納期、数量、連絡待ち、迷った理由。そこに整った言葉はありません。けれど緒方 佳奈代表は「書いた本人が翌週読めるなら十分」と言います。判断を飾らず残すことが、同じ迷いを減らしています。
現場の迷いを翌月に残さない
——スタッフの声はどう拾っていますか。
緒方 佳奈氏: 「任せる前に、どこで迷うかを聞きます。新人に任せる範囲を細かく決めるだけでも、次の人の入り方が変わります。立派な資料より、その日の現場で使える一言の方が残ることがあります」
別のスタッフが、納期のメモを持って緒方 佳奈代表のところへ来ました。話は三分ほどで終わりましたが、最後に予約制まつ毛施術の確認者だけは紙に残します。小さな手間を省かないところに、株式会社篠浦研究所の癖があります。
広げる前に守りたいこと
緒方 佳奈代表の関心は、神奈川周辺の小さな会社同士で、困った時に仕事を回し合える関係づくりにあります。広げる前に、今の66人で約束を守れるかを見る。そこを飛ばすと、藤沢市辻堂で積み上げてきた紹介の理由が弱くなると言います。
——若い経営者に一つだけ言うなら。
緒方 佳奈氏: 「続ける会社には、派手ではない約束が必要です。株式会社篠浦研究所なら、いつ返事をするか、どこまで見るか、何を断るか。そこを曖昧にしないだけで、お客さんもスタッフも少し楽になります」
最後に見たのは、シャンプーブースに貼られた古いチェック表でした。新しい仕組みではありません。それでも緒方 佳奈代表は「残っているものには理由がある」と言います。大げさに語らない強さが、そこにありました。