Vol.41
Vol.41 大田区仲六郷の千鳥ラインが食品機械の交換部品で小さな現場改善の積み重ね
2025年10月31日

PROFILE
会社名:株式会社千鳥ライン
代表者名:北見 絵理
所在地:東京大田区仲六郷
設立年:2002年
従業員数:39名
事業内容:食品機械の交換部品、樹脂切削部品、地域企業向けの相談対応
サイト:vol41-manufacturing.example.jp
取材に訪れたのは午前10時過ぎ。株式会社千鳥ラインの出荷口では、食品機械の交換部品を待つ小さな列ができていました。北見 絵理代表は、数字より先に現場の表情を見ます。
最初の転機は、売上が止まった週にあった
北見 絵理代表が最初に語ったのは、売上が伸びた話ではありません。2011年11月、主力だった仕事が二件続けて止まり、予定していた人員表が空白になりました。「食品機械の交換部品の件数が多いことと、株式会社千鳥ラインが強いことは別でした」と振り返ります。
——最初から今の形を狙っていたのですか。
北見 絵理氏: 「きっかけは格好いいものではありません。夜間の短納期案件を断ったあと、予定表より人の顔を先に見るようになりました。食品機械の交換部品は段取りの乱れがすぐ表に出ます。小さい会社ほど、無理の出どころをごまかせません」
数字だけで決めないための表を作った
株式会社千鳥ラインでは、案件ごとの採算だけでなく、準備にかかる手間、担当者の得意不得意、翌週に残る疲れまで見ます。たとえば食品機械の交換部品の依頼でも、短納期で説明が薄いものは一度立ち止まる。逆に樹脂切削部品のように小さく見える相談でも、次の関係につながるものは丁寧に拾います。
出荷口にある表は、外から見るとただの走り書きです。納期、数量、連絡待ち、迷った理由。そこに整った言葉はありません。けれど北見 絵理代表は「書いた本人が翌週読めるなら十分」と言います。判断を飾らず残すことが、同じ迷いを減らしています。
現場の迷いを翌月に残さない
——新人に最初に伝えることは何ですか。
北見 絵理氏: 「うちは大きな会社ではないので、全員が同じ動きにはなりません。だから刃物の交換時刻を記録する。それを見て、次の担当が自分の言葉で確認できればいいんです」
出荷口では、担当者が樹脂切削部品の段取りを確認していました。北見 絵理代表は「それ、誰が次に見る?」とだけ返します。答えを渡し切らないことで、食品機械の交換部品の次の担当が使える記録に変えていました。
広げる前に守りたいこと
北見 絵理代表の関心は、無理な受注を減らしながら、紹介で来た仕事を断らない体制づくりにあります。広げる前に、今の39人で約束を守れるかを見る。そこを飛ばすと、大田区仲六郷で積み上げてきた紹介の理由が弱くなると言います。
——同じ地域で事業を続ける人へ伝えたいことは。
北見 絵理氏: 「急ぐ時ほど、何をしないかを決めます。大田区仲六郷の仕事は顔が近いので、無理をするとすぐ伝わります。長く続けたいなら、背伸びより約束を守る方が先です」
最後に見たのは、出荷口に貼られた古いチェック表でした。新しい仕組みではありません。それでも北見 絵理代表は「残っているものには理由がある」と言います。大げさに語らない強さが、そこにありました。