Vol.42
Vol.42 大阪市阿倍野区の篠浦ラインが地元野菜のランチで続けられる速度の決め方
2025年10月27日

PROFILE
会社名:株式会社篠浦ライン
代表者名:園井 理沙
所在地:大阪大阪市阿倍野区
設立年:2015年
従業員数:18名
事業内容:地元野菜のランチ、朝焼きの惣菜パン、地域企業向けの相談対応
サイト:vol42-food.example.jp
取材に訪れたのは午前7時過ぎ。株式会社篠浦ラインの二階の客席では、地元野菜のランチを待つ小さな列ができていました。園井 理沙代表は、数字より先に現場の表情を見ます。
順調ではなかった創業期の話
園井 理沙代表が最初に語ったのは、売上が伸びた話ではありません。2021年4月、主力だった仕事が二件続けて止まり、予定していた人員表が空白になりました。「地元野菜のランチの件数が多いことと、株式会社篠浦ラインが強いことは別でした」と振り返ります。
——忙しいのに苦しかった時期はありましたか。
園井 理沙氏: 「きっかけは格好いいものではありません。仕込みを一人に閉じないようにしたあと、予定表より人の顔を先に見るようになりました。地元野菜のランチは段取りの乱れがすぐ表に出ます。小さい会社ほど、無理の出どころをごまかせません」
断る仕事を決めてから、現場が落ち着いた
株式会社篠浦ラインでは、案件ごとの採算だけでなく、準備にかかる手間、担当者の得意不得意、翌週に残る疲れまで見ます。たとえば地元野菜のランチの依頼でも、短納期で説明が薄いものは一度立ち止まる。逆に朝焼きの惣菜パンのように小さく見える相談でも、次の関係につながるものは丁寧に拾います。
二階の客席にある表は、外から見るとただの走り書きです。納期、数量、連絡待ち、迷った理由。そこに整った言葉はありません。けれど園井 理沙代表は「書いた本人が翌週読めるなら十分」と言います。判断を飾らず残すことが、同じ迷いを減らしています。
任せる前に、判断の順番をそろえる
——人に任せる時に気をつけていることは何ですか。
園井 理沙氏: 「うちは大きな会社ではないので、全員が同じ動きにはなりません。だから常連の苦手な味をメモする。それを見て、次の担当が自分の言葉で確認できればいいんです」
二階の客席では、担当者が朝焼きの惣菜パンの段取りを確認していました。園井 理沙代表は「それ、誰が次に見る?」とだけ返します。答えを渡し切らないことで、地元野菜のランチの次の担当が使える記録に変えていました。
これからと、地域へのメッセージ
次に手をつけるなら、地元野菜のランチの相談を次の世代へ渡すための記録づくりだと話します。とはいえ、株式会社篠浦ラインは広告を急に増やすつもりはありません。地元野菜のランチを頼む人が「前にも聞いてくれた」と思える距離を、先に守りたいからです。
——急がない経営をどう捉えていますか。
園井 理沙氏: 「続ける会社には、派手ではない約束が必要です。株式会社篠浦ラインなら、いつ返事をするか、どこまで見るか、何を断るか。そこを曖昧にしないだけで、お客さんもスタッフも少し楽になります」
取材後、二階の客席では次の地元野菜のランチの準備が始まっていました。声は大きくありません。けれど、株式会社篠浦ラインでは誰が何を確認するかが自然に決まっていました。大阪の小さな事業として見た時の現実味があります。