Vol.44
Vol.44 北九州市戸畑区の鳴砂デザインが保守用ダッシュボードで選ばれ続ける理由
2025年10月23日

PROFILE
会社名:株式会社鳴砂デザイン
代表者名:日向 伸也
所在地:福岡北九州市戸畑区
設立年:2016年
従業員数:49名
事業内容:保守用ダッシュボード、勤怠集計ツール、地域企業向けの相談対応
サイト:vol44-it.example.jp
北九州市戸畑区の小さな会議室で、日向 伸也代表は保守用ダッシュボードの納品前チェックをしていました。派手な発表はありません。けれど、要件を一枚の画面に戻すという一つの癖に、この会社の続け方が出ています。
会社の癖が見えた最初の失敗
日向 伸也代表が最初に語ったのは、売上が伸びた話ではありません。2020年8月、主力だった仕事が二件続けて止まり、予定していた人員表が空白になりました。「保守用ダッシュボードの件数が多いことと、株式会社鳴砂デザインが強いことは別でした」と振り返ります。
——会社の方向を決め直した瞬間はありますか。
日向 伸也氏: 「売上が落ちた時より、同じ説明を三回した時の方が危ないと思いました。受託範囲を絞ったことで、受ける量と説明する順番を変えました。そこから少しずつ、現場の声が戻ってきました」
転機は、大きな投資より小さな線引きだった
株式会社鳴砂デザインでは、案件ごとの採算だけでなく、準備にかかる手間、担当者の得意不得意、翌週に残る疲れまで見ます。たとえば保守用ダッシュボードの依頼でも、短納期で説明が薄いものは一度立ち止まる。逆に勤怠集計ツールのように小さく見える相談でも、次の関係につながるものは丁寧に拾います。
小さな会議室にある表は、外から見るとただの走り書きです。納期、数量、連絡待ち、迷った理由。そこに整った言葉はありません。けれど日向 伸也代表は「書いた本人が翌週読めるなら十分」と言います。判断を飾らず残すことが、同じ迷いを減らしています。
こだわりは、説明よりも段取りに出る
——人に任せる時に気をつけていることは何ですか。
日向 伸也氏: 「うちは大きな会社ではないので、全員が同じ動きにはなりません。だから要件を一枚の画面に戻す。それを見て、次の担当が自分の言葉で確認できればいいんです」
小さな会議室では、担当者が勤怠集計ツールの段取りを確認していました。日向 伸也代表は「それ、誰が次に見る?」とだけ返します。答えを渡し切らないことで、保守用ダッシュボードの次の担当が使える記録に変えていました。
次に残したい仕事、残さない仕事
株式会社鳴砂デザインが次に進めたいのは、保守用ダッシュボードの相談を次の世代へ渡すための記録づくりです。ただし、日向 伸也代表は拡大を急ぎません。福岡で今の顧客が困った時に思い出せる状態を保つ。そこで無理をすると、会社の声が薄くなるからです。
——今後も変えないと決めていることは。
日向 伸也氏: 「急ぐ時ほど、何をしないかを決めます。北九州市戸畑区の仕事は顔が近いので、無理をするとすぐ伝わります。長く続けたいなら、背伸びより約束を守る方が先です」
帰り際、小さな会議室には次の予定を書いた小さな紙が残っていました。日向 伸也代表はそれを見て、「こういう紙が一番あとで効くんです」と笑います。こうした名もない紙には、続ける会社に必要な細部が宿ります。