Vol.45
Vol.45 札幌市白石区の古橋相談所が相続前の資産整理で品質を落とさない判断
2025年10月19日

PROFILE
会社名:株式会社古橋相談所
代表者名:千木良 航平
所在地:北海道札幌市白石区
設立年:2011年
従業員数:61名
事業内容:相続前の資産整理、空き家相談、地域企業向けの相談対応
サイト:vol45-realestate.example.jp
取材に訪れたのは午前7時過ぎ。株式会社古橋相談所の古い住宅の玄関では、相続前の資産整理を待つ小さな列ができていました。千木良 航平代表は、数字より先に現場の表情を見ます。
始まりは、予定通りにいかなかった月から
千木良 航平代表が覚えている最初の違和感は、月末の売上表ではなく、朝の空気に出たと言います。10月のある週、スタッフが誰も口を開かず、古い住宅の玄関の確認だけが増えました。代表はそこで仕事の受け方を見直しました。
——忙しいのに苦しかった時期はありましたか。
千木良 航平氏: 「きっかけは格好いいものではありません。相談初回の聞き方を固定したあと、予定表より人の顔を先に見るようになりました。相続前の資産整理は段取りの乱れがすぐ表に出ます。小さい会社ほど、無理の出どころをごまかせません」
増やす前に、受け方を変えた
株式会社古橋相談所では、案件ごとの採算だけでなく、準備にかかる手間、担当者の得意不得意、翌週に残る疲れまで見ます。たとえば相続前の資産整理の依頼でも、短納期で説明が薄いものは一度立ち止まる。逆に空き家相談のように小さく見える相談でも、次の関係につながるものは丁寧に拾います。
古い住宅の玄関にある表は、外から見るとただの走り書きです。納期、数量、連絡待ち、迷った理由。そこに整った言葉はありません。けれど千木良 航平代表は「書いた本人が翌週読めるなら十分」と言います。判断を飾らず残すことが、同じ迷いを減らしています。
一人の経験を閉じ込めない
——仕組みにする時、どこから手をつけましたか。
千木良 航平氏: 「任せる前に、どこで迷うかを聞きます。契約前の不安を表にするだけでも、次の人の入り方が変わります。立派な資料より、その日の現場で使える一言の方が残ることがあります」
別のスタッフが、納期のメモを持って千木良 航平代表のところへ来ました。話は三分ほどで終わりましたが、最後に相続前の資産整理の確認者だけは紙に残します。小さな手間を省かないところに、株式会社古橋相談所の癖があります。
地域で続ける会社として
千木良 航平代表の関心は、無理な受注を減らしながら、紹介で来た仕事を断らない体制づくりにあります。広げる前に、今の61人で約束を守れるかを見る。そこを飛ばすと、札幌市白石区で積み上げてきた紹介の理由が弱くなると言います。
——地域の会社同士でできることはありますか。
千木良 航平氏: 「大きく見せるより、明日も同じ温度で古い住宅の玄関に立てることだと思います。相続前の資産整理は速さだけで勝てない場面が多いです。断る理由、待ってもらう理由、もう一度頼まれる理由を、自分たちの言葉で持っておきたいです」
帰り際、古い住宅の玄関には次の予定を書いた小さな紙が残っていました。千木良 航平代表はそれを見て、「こういう紙が一番あとで効くんです」と笑います。こうした名もない紙には、続ける会社に必要な細部が宿ります。