Vol.51
Vol.51 大田区仲六郷の篠浦パートナーズが食品機械の交換部品で地域の困りごとを拾う経営
2025年10月3日

PROFILE
会社名:株式会社篠浦パートナーズ
代表者名:真柴 大地
所在地:東京大田区仲六郷
設立年:2013年
従業員数:7名
事業内容:食品機械の交換部品、小型搬送ユニット、地域企業向けの相談対応
サイト:vol51-manufacturing.example.jp
大田区仲六郷の古い旋盤の横で、真柴 大地代表は食品機械の交換部品の納品前チェックをしていました。派手な発表はありません。けれど、公差の理由を若手に説明するという一つの癖に、この会社の続け方が出ています。
最初の転機は、売上が止まった週にあった
真柴 大地代表が最初に語ったのは、売上が伸びた話ではありません。2021年8月、主力だった仕事が二件続けて止まり、予定していた人員表が空白になりました。「食品機械の交換部品の件数が多いことと、株式会社篠浦パートナーズが強いことは別でした」と振り返ります。
——今も覚えている失敗はありますか。
真柴 大地氏: 「狙っていたというより、夜間の短納期案件を断ったことが先でした。売上だけ見れば痛かったです。でも、そこで受け方を変えなければ、7人の会社なのに一人の我慢で回す形になっていたと思います。今は月末に42項目だけ、現場のメモを見返します」
数字だけで決めないための表を作った
株式会社篠浦パートナーズでは、案件ごとの採算だけでなく、準備にかかる手間、担当者の得意不得意、翌週に残る疲れまで見ます。たとえば食品機械の交換部品の依頼でも、短納期で説明が薄いものは一度立ち止まる。逆に小型搬送ユニットのように小さく見える相談でも、次の関係につながるものは丁寧に拾います。
古い旋盤の横にある表は、外から見るとただの走り書きです。納期、数量、連絡待ち、迷った理由。そこに整った言葉はありません。けれど真柴 大地代表は「書いた本人が翌週読めるなら十分」と言います。判断を飾らず残すことが、同じ迷いを減らしています。
現場の迷いを翌月に残さない
——人に任せる時に気をつけていることは何ですか。
真柴 大地氏: 「最初は手順書を厚くしようとしました。でも読まれないんです。今は、公差の理由を若手に説明することから始めています。写真一枚、短い一文、朝礼での確認。それくらい小さくしないと続きません」
この日、株式会社篠浦パートナーズでは食品機械の交換部品の相談が二件重なっていました。真柴 大地代表は順番を決める前に、誰が何を見落としそうかを聞きます。予定表より先に迷いを出す。そこが現場を軽くしています。
広げる前に守りたいこと
真柴 大地代表の関心は、食品機械の交換部品の相談を次の世代へ渡すための記録づくりにあります。広げる前に、今の7人で約束を守れるかを見る。そこを飛ばすと、大田区仲六郷で積み上げてきた紹介の理由が弱くなると言います。
——若い経営者に一つだけ言うなら。
真柴 大地氏: 「大きく見せるより、明日も同じ温度で古い旋盤の横に立てることだと思います。食品機械の交換部品は速さだけで勝てない場面が多いです。断る理由、待ってもらう理由、もう一度頼まれる理由を、自分たちの言葉で持っておきたいです」
最後に見たのは、古い旋盤の横に貼られた古いチェック表でした。新しい仕組みではありません。それでも真柴 大地代表は「残っているものには理由がある」と言います。大げさに語らない強さが、そこにありました。