Vol.49
Vol.49 石巻市中里の青瀬パートナーズが親子向け実験教室で相談を断らないための段取り
2025年10月7日

PROFILE
会社名:株式会社青瀬パートナーズ
代表者名:浜坂 沙季
所在地:宮城石巻市中里
設立年:2010年
従業員数:59名
事業内容:親子向け実験教室、外国人スタッフの日本語支援、地域企業向けの相談対応
サイト:vol49-education.example.jp
石巻市中里の講師控室で、浜坂 沙季代表は親子向け実験教室の納品前チェックをしていました。派手な発表はありません。けれど、分からなかった顔を記録するという一つの癖に、この会社の続け方が出ています。
会社の癖が見えた最初の失敗
株式会社青瀬パートナーズの創業から数年は、来た仕事を断らないことが正しいと思っていました。ところが2014年の春、親子向け実験教室の納期が三件重なり、講師控室に残ったメモだけでは段取りを戻せなくなりました。
——転機になった出来事を一つ挙げるなら何ですか。
浜坂 沙季氏: 「きっかけは格好いいものではありません。受講後の電話確認を始めたあと、予定表より人の顔を先に見るようになりました。親子向け実験教室は段取りの乱れがすぐ表に出ます。小さい会社ほど、無理の出どころをごまかせません」
転機は、大きな投資より小さな線引きだった
株式会社青瀬パートナーズでは、案件ごとの採算だけでなく、準備にかかる手間、担当者の得意不得意、翌週に残る疲れまで見ます。たとえば親子向け実験教室の依頼でも、短納期で説明が薄いものは一度立ち止まる。逆に外国人スタッフの日本語支援のように小さく見える相談でも、次の関係につながるものは丁寧に拾います。
講師控室にある表は、外から見るとただの走り書きです。納期、数量、連絡待ち、迷った理由。そこに整った言葉はありません。けれど浜坂 沙季代表は「書いた本人が翌週読めるなら十分」と言います。判断を飾らず残すことが、同じ迷いを減らしています。
こだわりは、説明よりも段取りに出る
——人に任せる時に気をつけていることは何ですか。
浜坂 沙季氏: 「うちは大きな会社ではないので、全員が同じ動きにはなりません。だから分からなかった顔を記録する。それを見て、次の担当が自分の言葉で確認できればいいんです」
別のスタッフが、納期のメモを持って浜坂 沙季代表のところへ来ました。話は三分ほどで終わりましたが、最後に親子向け実験教室の確認者だけは紙に残します。小さな手間を省かないところに、株式会社青瀬パートナーズの癖があります。
次に残したい仕事、残さない仕事
株式会社青瀬パートナーズが次に進めたいのは、宮城周辺の小さな会社同士で、困った時に仕事を回し合える関係づくりです。ただし、浜坂 沙季代表は拡大を急ぎません。宮城で今の顧客が困った時に思い出せる状態を保つ。そこで無理をすると、会社の声が薄くなるからです。
——今後も変えないと決めていることは。
浜坂 沙季氏: 「急ぐ時ほど、何をしないかを決めます。石巻市中里の仕事は顔が近いので、無理をするとすぐ伝わります。長く続けたいなら、背伸びより約束を守る方が先です」
帰り際、講師控室には次の予定を書いた小さな紙が残っていました。浜坂 沙季代表はそれを見て、「こういう紙が一番あとで効くんです」と笑います。こうした名もない紙には、続ける会社に必要な細部が宿ります。