Vol.54
Vol.54 福岡市南区の白峰企画が在庫連携APIで地域の困りごとを拾う経営
2025年9月21日

PROFILE
会社名:株式会社白峰企画
代表者名:園井 智久
所在地:福岡福岡市南区
設立年:2010年
従業員数:14名
事業内容:在庫連携API、保守用ダッシュボード、地域企業向けの相談対応
サイト:vol54-it.example.jp
福岡の住宅地から少し入った場所に、株式会社白峰企画はあります。入口の棚には在庫連携APIに関するメモが残され、園井 智久代表は「ここを雑にすると後で戻ってくる」と話します。
会社の癖が見えた最初の失敗
株式会社白峰企画の創業から数年は、来た仕事を断らないことが正しいと思っていました。ところが2013年の春、在庫連携APIの納期が三件重なり、顧客先の応接室に残ったメモだけでは段取りを戻せなくなりました。
——数字の見方はいつ変わりましたか。
園井 智久氏: 「狙っていたというより、受託範囲を絞ったことが先でした。売上だけ見れば痛かったです。でも、そこで受け方を変えなければ、14人の会社なのに一人の我慢で回す形になっていたと思います。今は月末に31項目だけ、現場のメモを見返します」
転機は、大きな投資より小さな線引きだった
株式会社白峰企画では、案件ごとの採算だけでなく、準備にかかる手間、担当者の得意不得意、翌週に残る疲れまで見ます。たとえば在庫連携APIの依頼でも、短納期で説明が薄いものは一度立ち止まる。逆に保守用ダッシュボードのように小さく見える相談でも、次の関係につながるものは丁寧に拾います。
顧客先の応接室にある表は、外から見るとただの走り書きです。納期、数量、連絡待ち、迷った理由。そこに整った言葉はありません。けれど園井 智久代表は「書いた本人が翌週読めるなら十分」と言います。判断を飾らず残すことが、同じ迷いを減らしています。
こだわりは、説明よりも段取りに出る
——スタッフの声はどう拾っていますか。
園井 智久氏: 「任せる前に、どこで迷うかを聞きます。作らない機能を先に決めるだけでも、次の人の入り方が変わります。立派な資料より、その日の現場で使える一言の方が残ることがあります」
顧客先の応接室では、担当者が保守用ダッシュボードの段取りを確認していました。園井 智久代表は「それ、誰が次に見る?」とだけ返します。答えを渡し切らないことで、在庫連携APIの次の担当が使える記録に変えていました。
次に残したい仕事、残さない仕事
次に手をつけるなら、福岡周辺の小さな会社同士で、困った時に仕事を回し合える関係づくりだと話します。とはいえ、株式会社白峰企画は広告を急に増やすつもりはありません。在庫連携APIを頼む人が「前にも聞いてくれた」と思える距離を、先に守りたいからです。
——同じ地域で事業を続ける人へ伝えたいことは。
園井 智久氏: 「続ける会社には、派手ではない約束が必要です。株式会社白峰企画なら、いつ返事をするか、どこまで見るか、何を断るか。そこを曖昧にしないだけで、お客さんもスタッフも少し楽になります」
取材後、顧客先の応接室では次の在庫連携APIの準備が始まっていました。声は大きくありません。けれど、株式会社白峰企画では誰が何を確認するかが自然に決まっていました。福岡の小さな事業として見た時の現実味があります。