不動産・金融

Vol.55

Vol.55 函館市弁天町の麦島相談所が賃貸管理で紹介が続く店の裏側

2025年9月21日

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PROFILE

会社名:株式会社麦島相談所

代表者名:戸倉 啓吾

所在地:北海道函館市弁天町

設立年:2011年

従業員数:55名

事業内容:賃貸管理、相続前の資産整理、地域企業向けの相談対応

サイト:vol55-realestate.example.jp

取材に訪れたのは午前9時過ぎ。株式会社麦島相談所の管理物件の階段では、賃貸管理を待つ小さな列ができていました。戸倉 啓吾代表は、数字より先に現場の表情を見ます。

始まりは、予定通りにいかなかった月から

戸倉 啓吾代表が最初に語ったのは、売上が伸びた話ではありません。2015年2月、主力だった仕事が二件続けて止まり、予定していた人員表が空白になりました。「賃貸管理の件数が多いことと、株式会社麦島相談所が強いことは別でした」と振り返ります。

——忙しいのに苦しかった時期はありましたか。
戸倉 啓吾氏: 「売上が落ちた時より、同じ説明を三回した時の方が危ないと思いました。数字より生活の順番を見たことで、受ける量と説明する順番を変えました。そこから少しずつ、現場の声が戻ってきました」

増やす前に、受け方を変えた

株式会社麦島相談所では、案件ごとの採算だけでなく、準備にかかる手間、担当者の得意不得意、翌週に残る疲れまで見ます。たとえば賃貸管理の依頼でも、短納期で説明が薄いものは一度立ち止まる。逆に相続前の資産整理のように小さく見える相談でも、次の関係につながるものは丁寧に拾います。

管理物件の階段にある表は、外から見るとただの走り書きです。納期、数量、連絡待ち、迷った理由。そこに整った言葉はありません。けれど戸倉 啓吾代表は「書いた本人が翌週読めるなら十分」と言います。判断を飾らず残すことが、同じ迷いを減らしています。

一人の経験を閉じ込めない

——仕組みにする時、どこから手をつけましたか。
戸倉 啓吾氏: 「任せる前に、どこで迷うかを聞きます。断る理由も記録するだけでも、次の人の入り方が変わります。立派な資料より、その日の現場で使える一言の方が残ることがあります」

この日、株式会社麦島相談所では賃貸管理の相談が二件重なっていました。戸倉 啓吾代表は順番を決める前に、誰が何を見落としそうかを聞きます。予定表より先に迷いを出す。そこが現場を軽くしています。

地域で続ける会社として

株式会社麦島相談所が次に進めたいのは、函館市弁天町の顧客から来る細かな相談を、担当者任せにしない受付の形づくりです。ただし、戸倉 啓吾代表は拡大を急ぎません。北海道で今の顧客が困った時に思い出せる状態を保つ。そこで無理をすると、会社の声が薄くなるからです。

——次の10年で残したい景色は何ですか。
戸倉 啓吾氏: 「急ぐ時ほど、何をしないかを決めます。函館市弁天町の仕事は顔が近いので、無理をするとすぐ伝わります。長く続けたいなら、背伸びより約束を守る方が先です」

取材後、管理物件の階段では次の賃貸管理の準備が始まっていました。声は大きくありません。けれど、株式会社麦島相談所では誰が何を確認するかが自然に決まっていました。北海道の小さな事業として見た時の現実味があります。

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