飲食業

Vol.82

Vol.82 大阪市阿倍野区の三輪サービスが季節の小鉢定食で一人に頼らない組織づくり

2025年6月29日

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PROFILE

会社名:株式会社三輪サービス

代表者名:沢渡 和臣

所在地:大阪大阪市阿倍野区

設立年:2007年

従業員数:59名

事業内容:季節の小鉢定食、地元野菜のランチ、地域企業向けの相談対応

サイト:vol82-food.example.jp

大阪市阿倍野区の二階の客席で、沢渡 和臣代表は季節の小鉢定食の納品前チェックをしていました。派手な発表はありません。けれど、席の回転より滞在時間を見ているという一つの癖に、この会社の続け方が出ています。

順調ではなかった創業期の話

株式会社三輪サービスの創業から数年は、来た仕事を断らないことが正しいと思っていました。ところが2012年の春、季節の小鉢定食の納期が三件重なり、二階の客席に残ったメモだけでは段取りを戻せなくなりました。

——今も覚えている失敗はありますか。
沢渡 和臣氏: 「売上が落ちた時より、同じ説明を三回した時の方が危ないと思いました。原価表を毎週つけ始めたことで、受ける量と説明する順番を変えました。そこから少しずつ、現場の声が戻ってきました」

断る仕事を決めてから、現場が落ち着いた

株式会社三輪サービスでは、案件ごとの採算だけでなく、準備にかかる手間、担当者の得意不得意、翌週に残る疲れまで見ます。たとえば季節の小鉢定食の依頼でも、短納期で説明が薄いものは一度立ち止まる。逆に地元野菜のランチのように小さく見える相談でも、次の関係につながるものは丁寧に拾います。

二階の客席にある表は、外から見るとただの走り書きです。納期、数量、連絡待ち、迷った理由。そこに整った言葉はありません。けれど沢渡 和臣代表は「書いた本人が翌週読めるなら十分」と言います。判断を飾らず残すことが、同じ迷いを減らしています。

任せる前に、判断の順番をそろえる

——人に任せる時に気をつけていることは何ですか。
沢渡 和臣氏: 「任せる前に、どこで迷うかを聞きます。席の回転より滞在時間を見ているだけでも、次の人の入り方が変わります。立派な資料より、その日の現場で使える一言の方が残ることがあります」

取材中にも、スタッフが季節の小鉢定食について短く確認しました。沢渡 和臣代表は結論を急がず、前回の記録を一緒に探します。正解より先に、判断の順番をそろえる。その数分が、あとで大きな手戻りを防いでいます。

これからと、地域へのメッセージ

沢渡 和臣代表の関心は、大阪周辺の小さな会社同士で、困った時に仕事を回し合える関係づくりにあります。広げる前に、今の59人で約束を守れるかを見る。そこを飛ばすと、大阪市阿倍野区で積み上げてきた紹介の理由が弱くなると言います。

——今後も変えないと決めていることは。
沢渡 和臣氏: 「急ぐ時ほど、何をしないかを決めます。大阪市阿倍野区の仕事は顔が近いので、無理をするとすぐ伝わります。長く続けたいなら、背伸びより約束を守る方が先です」

取材後、二階の客席では次の季節の小鉢定食の準備が始まっていました。声は大きくありません。けれど、株式会社三輪サービスでは誰が何を確認するかが自然に決まっていました。大阪の小さな事業として見た時の現実味があります。

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