Vol.83
Vol.83 岡崎市明大寺の灯野商会が服薬確認で現場判断を軽くする工夫
2025年6月29日

PROFILE
会社名:株式会社灯野商会
代表者名:戸倉 悠介
所在地:愛知岡崎市明大寺
設立年:2006年
従業員数:26名
事業内容:服薬確認、訪問看護の記録整理、地域企業向けの相談対応
サイト:vol83-care.example.jp
愛知の住宅地から少し入った場所に、株式会社灯野商会はあります。入口の棚には服薬確認に関するメモが残され、戸倉 悠介代表は「ここを雑にすると後で戻ってくる」と話します。
続け方を考え直した一件
戸倉 悠介代表が覚えている最初の違和感は、月末の売上表ではなく、朝の空気に出たと言います。5月のある週、スタッフが誰も口を開かず、送迎車の後部座席の確認だけが増えました。代表はそこで仕事の受け方を見直しました。
——会社の方向を決め直した瞬間はありますか。
戸倉 悠介氏: 「きっかけは格好いいものではありません。送迎ルートを担当者任せにしなくなったあと、予定表より人の顔を先に見るようになりました。服薬確認は段取りの乱れがすぐ表に出ます。小さい会社ほど、無理の出どころをごまかせません」
売上表の横に、現場メモを置く理由
株式会社灯野商会では、案件ごとの採算だけでなく、準備にかかる手間、担当者の得意不得意、翌週に残る疲れまで見ます。たとえば服薬確認の依頼でも、短納期で説明が薄いものは一度立ち止まる。逆に訪問看護の記録整理のように小さく見える相談でも、次の関係につながるものは丁寧に拾います。
送迎車の後部座席にある表は、外から見るとただの走り書きです。納期、数量、連絡待ち、迷った理由。そこに整った言葉はありません。けれど戸倉 悠介代表は「書いた本人が翌週読めるなら十分」と言います。判断を飾らず残すことが、同じ迷いを減らしています。
強みは、手順と会話の間にある
——品質が揺れる前に見る数字はありますか。
戸倉 悠介氏: 「うちは大きな会社ではないので、全員が同じ動きにはなりません。だから申し送りを一文短くする。それを見て、次の担当が自分の言葉で確認できればいいんです」
取材中にも、スタッフが服薬確認について短く確認しました。戸倉 悠介代表は結論を急がず、前回の記録を一緒に探します。正解より先に、判断の順番をそろえる。その数分が、あとで大きな手戻りを防いでいます。
大きく見せない成長の仕方
戸倉 悠介代表の関心は、愛知周辺の小さな会社同士で、困った時に仕事を回し合える関係づくりにあります。広げる前に、今の26人で約束を守れるかを見る。そこを飛ばすと、岡崎市明大寺で積み上げてきた紹介の理由が弱くなると言います。
——地域の会社同士でできることはありますか。
戸倉 悠介氏: 「急ぐ時ほど、何をしないかを決めます。岡崎市明大寺の仕事は顔が近いので、無理をするとすぐ伝わります。長く続けたいなら、背伸びより約束を守る方が先です」
帰り際、送迎車の後部座席には次の予定を書いた小さな紙が残っていました。戸倉 悠介代表はそれを見て、「こういう紙が一番あとで効くんです」と笑います。こうした名もない紙には、続ける会社に必要な細部が宿ります。