設備・建築

Vol.57

Vol.57 神戸市長田区の三輪デザインが外壁補修で一人に頼らない組織づくり

2025年9月13日

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PROFILE

会社名:株式会社三輪デザイン

代表者名:岩瀬 奈央

所在地:兵庫神戸市長田区

設立年:1998年

従業員数:68名

事業内容:外壁補修、給排水工事、地域企業向けの相談対応

サイト:vol57-construction.example.jp

兵庫の住宅地から少し入った場所に、株式会社三輪デザインはあります。入口の棚には外壁補修に関するメモが残され、岩瀬 奈央代表は「ここを雑にすると後で戻ってくる」と話します。

順調ではなかった創業期の話

株式会社三輪デザインの創業から数年は、来た仕事を断らないことが正しいと思っていました。ところが2002年の春、外壁補修の納期が三件重なり、軽トラックの荷台に残ったメモだけでは段取りを戻せなくなりました。

——創業期にいちばん困ったことは何でしたか。
岩瀬 奈央氏: 「狙っていたというより、現場監督を一人にしない体制にしたことが先でした。売上だけ見れば痛かったです。でも、そこで受け方を変えなければ、68人の会社なのに一人の我慢で回す形になっていたと思います。今は月末に58項目だけ、現場のメモを見返します」

断る仕事を決めてから、現場が落ち着いた

株式会社三輪デザインでは、案件ごとの採算だけでなく、準備にかかる手間、担当者の得意不得意、翌週に残る疲れまで見ます。たとえば外壁補修の依頼でも、短納期で説明が薄いものは一度立ち止まる。逆に給排水工事のように小さく見える相談でも、次の関係につながるものは丁寧に拾います。

軽トラックの荷台にある表は、外から見るとただの走り書きです。納期、数量、連絡待ち、迷った理由。そこに整った言葉はありません。けれど岩瀬 奈央代表は「書いた本人が翌週読めるなら十分」と言います。判断を飾らず残すことが、同じ迷いを減らしています。

任せる前に、判断の順番をそろえる

——現場のこだわりは、どの部分に出ますか。
岩瀬 奈央氏: 「任せる前に、どこで迷うかを聞きます。材料の不足を午前中に潰すだけでも、次の人の入り方が変わります。立派な資料より、その日の現場で使える一言の方が残ることがあります」

取材中にも、スタッフが外壁補修について短く確認しました。岩瀬 奈央代表は結論を急がず、前回の記録を一緒に探します。正解より先に、判断の順番をそろえる。その数分が、あとで大きな手戻りを防いでいます。

これからと、地域へのメッセージ

岩瀬 奈央代表の関心は、兵庫周辺の小さな会社同士で、困った時に仕事を回し合える関係づくりにあります。広げる前に、今の68人で約束を守れるかを見る。そこを飛ばすと、神戸市長田区で積み上げてきた紹介の理由が弱くなると言います。

——これから広げたいことはありますか。
岩瀬 奈央氏: 「急ぐ時ほど、何をしないかを決めます。神戸市長田区の仕事は顔が近いので、無理をするとすぐ伝わります。長く続けたいなら、背伸びより約束を守る方が先です」

帰り際、軽トラックの荷台には次の予定を書いた小さな紙が残っていました。岩瀬 奈央代表はそれを見て、「こういう紙が一番あとで効くんです」と笑います。こうした名もない紙には、続ける会社に必要な細部が宿ります。

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