Vol.68
Vol.68 亀岡市篠町の青瀬工房が中古品の査定で次の担い手へ渡す仕組み
2025年8月12日

PROFILE
会社名:株式会社青瀬工房
代表者名:三倉 未緒
所在地:京都亀岡市篠町
設立年:2020年
従業員数:52名
事業内容:中古品の査定、ギフト提案、地域企業向けの相談対応
サイト:vol68-retail.example.jp
京都の住宅地から少し入った場所に、株式会社青瀬工房はあります。入口の棚には中古品の査定に関するメモが残され、三倉 未緒代表は「ここを雑にすると後で戻ってくる」と話します。
続け方を考え直した一件
株式会社青瀬工房の創業から数年は、来た仕事を断らないことが正しいと思っていました。ところが2026年の春、中古品の査定の納期が三件重なり、バックヤードの棚に残ったメモだけでは段取りを戻せなくなりました。
——受ける仕事を変えたきっかけは。
三倉 未緒氏: 「きっかけは格好いいものではありません。仕入れ数を半分にして回転を見たあと、予定表より人の顔を先に見るようになりました。中古品の査定は段取りの乱れがすぐ表に出ます。小さい会社ほど、無理の出どころをごまかせません」
売上表の横に、現場メモを置く理由
株式会社青瀬工房では、案件ごとの採算だけでなく、準備にかかる手間、担当者の得意不得意、翌週に残る疲れまで見ます。たとえば中古品の査定の依頼でも、短納期で説明が薄いものは一度立ち止まる。逆にギフト提案のように小さく見える相談でも、次の関係につながるものは丁寧に拾います。
バックヤードの棚にある表は、外から見るとただの走り書きです。納期、数量、連絡待ち、迷った理由。そこに整った言葉はありません。けれど三倉 未緒代表は「書いた本人が翌週読めるなら十分」と言います。判断を飾らず残すことが、同じ迷いを減らしています。
強みは、手順と会話の間にある
——スタッフの声はどう拾っていますか。
三倉 未緒氏: 「うちは大きな会社ではないので、全員が同じ動きにはなりません。だから売れ残りを失敗で終わらせない。それを見て、次の担当が自分の言葉で確認できればいいんです」
バックヤードの棚では、担当者がギフト提案の段取りを確認していました。三倉 未緒代表は「それ、誰が次に見る?」とだけ返します。答えを渡し切らないことで、中古品の査定の次の担当が使える記録に変えていました。
大きく見せない成長の仕方
次に手をつけるなら、京都周辺の小さな会社同士で、困った時に仕事を回し合える関係づくりだと話します。とはいえ、株式会社青瀬工房は広告を急に増やすつもりはありません。中古品の査定を頼む人が「前にも聞いてくれた」と思える距離を、先に守りたいからです。
——今後も変えないと決めていることは。
三倉 未緒氏: 「続ける会社には、派手ではない約束が必要です。株式会社青瀬工房なら、いつ返事をするか、どこまで見るか、何を断るか。そこを曖昧にしないだけで、お客さんもスタッフも少し楽になります」
最後に見たのは、バックヤードの棚に貼られた古いチェック表でした。新しい仕組みではありません。それでも三倉 未緒代表は「残っているものには理由がある」と言います。大げさに語らない強さが、そこにありました。