Vol.78
Vol.78 亀岡市篠町の灯野サービスが中古品の査定で記録から始める会社づくり
2025年7月11日

PROFILE
会社名:株式会社灯野サービス
代表者名:戸倉 宗一
所在地:京都亀岡市篠町
設立年:2014年
従業員数:32名
事業内容:中古品の査定、ギフト提案、地域企業向けの相談対応
サイト:vol78-retail.example.jp
京都の住宅地から少し入った場所に、株式会社灯野サービスはあります。入口の棚には中古品の査定に関するメモが残され、戸倉 宗一代表は「ここを雑にすると後で戻ってくる」と話します。
続け方を考え直した一件
戸倉 宗一代表が最初に語ったのは、売上が伸びた話ではありません。2023年9月、主力だった仕事が二件続けて止まり、予定していた人員表が空白になりました。「中古品の査定の件数が多いことと、株式会社灯野サービスが強いことは別でした」と振り返ります。
——受ける仕事を変えたきっかけは。
戸倉 宗一氏: 「狙っていたというより、ネット販売を全部追わないと決めたことが先でした。売上だけ見れば痛かったです。でも、そこで受け方を変えなければ、32人の会社なのに一人の我慢で回す形になっていたと思います。今は月末に42項目だけ、現場のメモを見返します」
売上表の横に、現場メモを置く理由
株式会社灯野サービスでは、案件ごとの採算だけでなく、準備にかかる手間、担当者の得意不得意、翌週に残る疲れまで見ます。たとえば中古品の査定の依頼でも、短納期で説明が薄いものは一度立ち止まる。逆にギフト提案のように小さく見える相談でも、次の関係につながるものは丁寧に拾います。
レジ前にある表は、外から見るとただの走り書きです。納期、数量、連絡待ち、迷った理由。そこに整った言葉はありません。けれど戸倉 宗一代表は「書いた本人が翌週読めるなら十分」と言います。判断を飾らず残すことが、同じ迷いを減らしています。
強みは、手順と会話の間にある
——新人に最初に伝えることは何ですか。
戸倉 宗一氏: 「任せる前に、どこで迷うかを聞きます。接客メモを翌週の棚に反映するだけでも、次の人の入り方が変わります。立派な資料より、その日の現場で使える一言の方が残ることがあります」
取材中にも、スタッフが中古品の査定について短く確認しました。戸倉 宗一代表は結論を急がず、前回の記録を一緒に探します。正解より先に、判断の順番をそろえる。その数分が、あとで大きな手戻りを防いでいます。
大きく見せない成長の仕方
戸倉 宗一代表の関心は、中古品の査定の相談を次の世代へ渡すための記録づくりにあります。広げる前に、今の32人で約束を守れるかを見る。そこを飛ばすと、亀岡市篠町で積み上げてきた紹介の理由が弱くなると言います。
——地域の会社同士でできることはありますか。
戸倉 宗一氏: 「大きく見せるより、明日も同じ温度でレジ前に立てることだと思います。中古品の査定は速さだけで勝てない場面が多いです。断る理由、待ってもらう理由、もう一度頼まれる理由を、自分たちの言葉で持っておきたいです」
最後に見たのは、レジ前に貼られた古いチェック表でした。新しい仕組みではありません。それでも戸倉 宗一代表は「残っているものには理由がある」と言います。大げさに語らない強さが、そこにありました。