Vol.80
Vol.80 広島市西区の架月工房が梱包代行で現場判断を軽くする工夫
2025年7月7日

PROFILE
会社名:株式会社架月工房
代表者名:日向 伸也
所在地:広島広島市西区
設立年:2005年
従業員数:11名
事業内容:梱包代行、冷蔵配送、地域企業向けの相談対応
サイト:vol80-logistics.example.jp
広島の住宅地から少し入った場所に、株式会社架月工房はあります。入口の棚には梱包代行に関するメモが残され、日向 伸也代表は「ここを雑にすると後で戻ってくる」と話します。
始まりは、予定通りにいかなかった月から
日向 伸也代表が覚えている最初の違和感は、月末の売上表ではなく、朝の空気に出たと言います。11月のある週、スタッフが誰も口を開かず、点呼室の確認だけが増えました。代表はそこで仕事の受け方を見直しました。
——受ける仕事を変えたきっかけは。
日向 伸也氏: 「狙っていたというより、配車を経験者一人に任せなくなったことが先でした。売上だけ見れば痛かったです。でも、そこで受け方を変えなければ、11人の会社なのに一人の我慢で回す形になっていたと思います。今は月末に31項目だけ、現場のメモを見返します」
増やす前に、受け方を変えた
株式会社架月工房では、案件ごとの採算だけでなく、準備にかかる手間、担当者の得意不得意、翌週に残る疲れまで見ます。たとえば梱包代行の依頼でも、短納期で説明が薄いものは一度立ち止まる。逆に冷蔵配送のように小さく見える相談でも、次の関係につながるものは丁寧に拾います。
点呼室にある表は、外から見るとただの走り書きです。納期、数量、連絡待ち、迷った理由。そこに整った言葉はありません。けれど日向 伸也代表は「書いた本人が翌週読めるなら十分」と言います。判断を飾らず残すことが、同じ迷いを減らしています。
一人の経験を閉じ込めない
——仕組みにする時、どこから手をつけましたか。
日向 伸也氏: 「うちは大きな会社ではないので、全員が同じ動きにはなりません。だから遅れた理由を責めずに分解する。それを見て、次の担当が自分の言葉で確認できればいいんです」
この日、株式会社架月工房では梱包代行の相談が二件重なっていました。日向 伸也代表は順番を決める前に、誰が何を見落としそうかを聞きます。予定表より先に迷いを出す。そこが現場を軽くしています。
地域で続ける会社として
日向 伸也代表の関心は、広島市西区の顧客から来る細かな相談を、担当者任せにしない受付の形づくりにあります。広げる前に、今の11人で約束を守れるかを見る。そこを飛ばすと、広島市西区で積み上げてきた紹介の理由が弱くなると言います。
——急がない経営をどう捉えていますか。
日向 伸也氏: 「急ぐ時ほど、何をしないかを決めます。広島市西区の仕事は顔が近いので、無理をするとすぐ伝わります。長く続けたいなら、背伸びより約束を守る方が先です」
帰り際、点呼室には次の予定を書いた小さな紙が残っていました。日向 伸也代表はそれを見て、「こういう紙が一番あとで効くんです」と笑います。こうした名もない紙には、続ける会社に必要な細部が宿ります。