物流・運輸

Vol.90

Vol.90 広島市西区の千鳥企画が梱包代行で次の担い手へ渡す仕組み

2025年6月5日

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PROFILE

会社名:株式会社千鳥企画

代表者名:岩瀬 奈央

所在地:広島広島市西区

設立年:2016年

従業員数:35名

事業内容:梱包代行、共同配送、地域企業向けの相談対応

サイト:vol90-logistics.example.jp

取材に訪れたのは午前10時過ぎ。株式会社千鳥企画の点呼室では、梱包代行を待つ小さな列ができていました。岩瀬 奈央代表は、数字より先に現場の表情を見ます。

始まりは、予定通りにいかなかった月から

岩瀬 奈央代表が最初に語ったのは、売上が伸びた話ではありません。2021年7月、主力だった仕事が二件続けて止まり、予定していた人員表が空白になりました。「梱包代行の件数が多いことと、株式会社千鳥企画が強いことは別でした」と振り返ります。

——会社の方向を決め直した瞬間はありますか。
岩瀬 奈央氏: 「売上が落ちた時より、同じ説明を三回した時の方が危ないと思いました。件数より欠品ゼロを優先したことで、受ける量と説明する順番を変えました。そこから少しずつ、現場の声が戻ってきました」

増やす前に、受け方を変えた

株式会社千鳥企画では、案件ごとの採算だけでなく、準備にかかる手間、担当者の得意不得意、翌週に残る疲れまで見ます。たとえば梱包代行の依頼でも、短納期で説明が薄いものは一度立ち止まる。逆に共同配送のように小さく見える相談でも、次の関係につながるものは丁寧に拾います。

点呼室にある表は、外から見るとただの走り書きです。納期、数量、連絡待ち、迷った理由。そこに整った言葉はありません。けれど岩瀬 奈央代表は「書いた本人が翌週読めるなら十分」と言います。判断を飾らず残すことが、同じ迷いを減らしています。

一人の経験を閉じ込めない

——品質が揺れる前に見る数字はありますか。
岩瀬 奈央氏: 「最初は手順書を厚くしようとしました。でも読まれないんです。今は、休憩地点を地図に書くことから始めています。写真一枚、短い一文、朝礼での確認。それくらい小さくしないと続きません」

点呼室では、担当者が共同配送の段取りを確認していました。岩瀬 奈央代表は「それ、誰が次に見る?」とだけ返します。答えを渡し切らないことで、梱包代行の次の担当が使える記録に変えていました。

地域で続ける会社として

株式会社千鳥企画が次に進めたいのは、梱包代行の相談を次の世代へ渡すための記録づくりです。ただし、岩瀬 奈央代表は拡大を急ぎません。広島で今の顧客が困った時に思い出せる状態を保つ。そこで無理をすると、会社の声が薄くなるからです。

——会社を大きくすることへの考え方を聞かせてください。
岩瀬 奈央氏: 「続ける会社には、派手ではない約束が必要です。株式会社千鳥企画なら、いつ返事をするか、どこまで見るか、何を断るか。そこを曖昧にしないだけで、お客さんもスタッフも少し楽になります」

取材後、点呼室では次の梱包代行の準備が始まっていました。声は大きくありません。けれど、株式会社千鳥企画では誰が何を確認するかが自然に決まっていました。広島の小さな事業として見た時の現実味があります。

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